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犬の癌について
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    人間と同じように犬もがん(悪性腫瘍)になります。
    日本では獣医療技術の発展に伴い、ここ30年間で犬の平均寿命が大幅に伸びました。

    そしてそれに従い「犬のがん」も増えてきました。
    「犬のがん」は、循環器、呼吸器、消化器、泌尿器、運動器、脳神経、皮膚、内分泌、血液および造血器など人と同じように体のいろいろな部分にでき、種類も症状もさまざまです。

    ここでは特に発生率が高いといわれている「犬のがん」についてご説明します。

    がん細胞

    「がん」の種類

    悪性乳腺腫瘍

    雌犬の腫瘍で最も多いのが乳腺腫瘍といわれています。
    犬の乳腺腫瘍は、良性:悪性=50%:50%です。

    推奨される治療は外科的切除ですが、腫瘍の大きさやリンパ節への浸潤、腫瘍のタイプ、臨床ステージにより手術の有無や手術内容、治療法も変わってきます。
    2回目の発情期以前に避妊手術を実施すると乳腺腫瘍の発生率は明らかに低下すると言われています。

    肥満細胞腫

    この「肥満」は太ることの肥満とは関係ありません。
    皮膚にできることが多く、いぼのようだったり、しこりだったり、皮膚炎のようだったりします。

    大きくなったり小さくなったりすることもあります。
    さらに筋肉やリンパ節、内臓などに転移する場合もあります。

    また肥満細胞がもっているヒスタミンヘパリンが大量に放出されてしまうと、皮膚が赤くなったり下痢嘔吐胃・十二指腸潰瘍になったり、血が止まりづらくなるなどの症状がおこります。

    リンパ腫

    犬の「がん」の中でも多い病気の1つです。
    体のさまざまな場所に発生し、発生場所により症状が異なります。

    皮下にあるリンパ節が腫れる「多中心型」、腸に発生する「消化器型」、胸の中にできる「縦隔型」、皮膚炎のようにみえる「皮膚型」などに分類されます。

    リンパ腫の約80%が多中心型といわれ、「元気や食欲がない、顎の下や足にしこりがある」と体のリンパ節が腫れたことに飼い主さんが気づいて来院されるケースがあります。

    腹腔内悪性腫瘍

    肝臓脾臓消化管腎臓など腹腔内の臓器にできます。
    腫瘍や症状にはいろいろな種類があります。

    食欲不振元気消失体重減少腹囲膨満下痢嘔吐などの症状がでることもあれば、無症状で健診時に偶然発見されることもあります。
    また、腫瘍破裂によるショック状態で救急搬送され、腫瘍が発見されるケースもあります。

    膀胱の移行上皮癌

    腹腔内悪性腫瘍のうちの1つ。犬の膀胱腫瘍の中でも多い悪性腫瘍です。
    頻尿血尿排尿困難など膀胱炎と同じ症状が出ます。

    尿検査で尿の沈査中に腫瘍細胞がみられることがありますが検出率が低いため、カテーテル吸引生検などで腫瘍細胞を採取します。

    口腔内悪性腫瘍

    犬におこりやすい口腔内悪性腫瘍は悪性黒色腫(メラノーマ)、扁平上皮癌、繊維肉腫です。
    口の中にしこりができるためよだれが多くなったり口腔内からの出血食べ方の変化嚥下困難体重減少などの症状が出ます。

    犬の腫瘍発生率のベスト3は乳腺腫瘍、肥満細胞腫、リンパ腫と言われています。

    ※上記以外にもさまざまな悪性腫瘍があります。
    気になることがあったらすぐに獣医師に相談してください。

    医者の恰好をした犬

    「がん」の検査方法

    腫瘍の見た目と症状だけでは確定診断はできません。
    針吸引検査などで細胞をとり細胞診を行います。
    十分な診断をするために『生検』といって腫瘍組織の一部を採取し、病理組織検査を行うこともあります

    また他にも異常はないか、麻酔や手術は可能か、転移はないかなどを調べたり、血液検査、心電図検査、レントゲン検査、エコー検査、CT検査、MRI検査など行います。
    他にも病状によって必要な追加検査は異なります。

    もし「がん」とわかったら

    病名や現在の愛犬の状態、治療法など、担当獣医師から詳しく話を聞きましょう。
    そして飼い主さんは家族とよく話し合い、「積極的に治療を行うのか」、それとも「積極的な治療は行わず症状にあわせた緩和治療を行うのか」、治療方針を決めましょう。

    その後に具体的な治療方法を獣医師と相談して決めていきます。

    診察を受ける犬

    「がん」の治療法

    「がん」を治療する3つの大きな方法は
    ①外科療法
    ②化学療法
    ③放射線療法
    です。

    これらの治療法は「がん」の種類、発生場所、進行具合によって単独または組み合わせて用いられます。
    また近年では特定の「がん」に対する新しい治療法もでてきています。

    ただ、一般的な動物病院ではCTやMRI検査、放射線療法、最先端の高度医療は難しいため、最先端の設備と技術をもつ大学病院や専門施設(2次診療施設)を紹介されることもあります。

    「がん」を予防するには

    「がん」を予防するためには、まず病気の早期発見に努めることです。
    できれば6歳以上になったら定期的に健康診断を受けることをお勧めします。

    「犬のがん」は毎日愛犬と触れあう事で発見しやすいものもあれば、一見無症状でわかりづらいものもあります。
    飼い主さんは毎日愛犬とスキンシップをとり、日々観察してください。

    上記以外にもさまざまな種類の病気がありますから、「おかしいな」と思ったら、動物病院を受診し、「早期発見」「早期治療」を目指しましょう。

人間と同じように犬もがん(悪性腫瘍)になります。
日本では獣医療技術の発展に伴い、ここ30年間で犬の平均寿命が大幅に伸びました。

そしてそれに従い「犬のがん」も増えてきました。
「犬のがん」は、循環器、呼吸器、消化器、泌尿器、運動器、脳神経、皮膚、内分泌、血液および造血器など人と同じように体のいろいろな部分にでき、種類も症状もさまざまです。

ここでは特に発生率が高いといわれている「犬のがん」についてご説明します。

がん細胞

「がん」の種類

悪性乳腺腫瘍

雌犬の腫瘍で最も多いのが乳腺腫瘍といわれています。
犬の乳腺腫瘍は、良性:悪性=50%:50%です。

推奨される治療は外科的切除ですが、腫瘍の大きさやリンパ節への浸潤、腫瘍のタイプ、臨床ステージにより手術の有無や手術内容、治療法も変わってきます。
2回目の発情期以前に避妊手術を実施すると乳腺腫瘍の発生率は明らかに低下すると言われています。

肥満細胞腫

この「肥満」は太ることの肥満とは関係ありません。
皮膚にできることが多く、いぼのようだったり、しこりだったり、皮膚炎のようだったりします。

大きくなったり小さくなったりすることもあります。
さらに筋肉やリンパ節、内臓などに転移する場合もあります。

また肥満細胞がもっているヒスタミンヘパリンが大量に放出されてしまうと、皮膚が赤くなったり下痢嘔吐胃・十二指腸潰瘍になったり、血が止まりづらくなるなどの症状がおこります。

リンパ腫

犬の「がん」の中でも多い病気の1つです。
体のさまざまな場所に発生し、発生場所により症状が異なります。

皮下にあるリンパ節が腫れる「多中心型」、腸に発生する「消化器型」、胸の中にできる「縦隔型」、皮膚炎のようにみえる「皮膚型」などに分類されます。

リンパ腫の約80%が多中心型といわれ、「元気や食欲がない、顎の下や足にしこりがある」と体のリンパ節が腫れたことに飼い主さんが気づいて来院されるケースがあります。

腹腔内悪性腫瘍

肝臓脾臓消化管腎臓など腹腔内の臓器にできます。
腫瘍や症状にはいろいろな種類があります。

食欲不振元気消失体重減少腹囲膨満下痢嘔吐などの症状がでることもあれば、無症状で健診時に偶然発見されることもあります。
また、腫瘍破裂によるショック状態で救急搬送され、腫瘍が発見されるケースもあります。

膀胱の移行上皮癌

腹腔内悪性腫瘍のうちの1つ。犬の膀胱腫瘍の中でも多い悪性腫瘍です。
頻尿血尿排尿困難など膀胱炎と同じ症状が出ます。

尿検査で尿の沈査中に腫瘍細胞がみられることがありますが検出率が低いため、カテーテル吸引生検などで腫瘍細胞を採取します。

口腔内悪性腫瘍

犬におこりやすい口腔内悪性腫瘍は悪性黒色腫(メラノーマ)、扁平上皮癌、繊維肉腫です。
口の中にしこりができるためよだれが多くなったり口腔内からの出血食べ方の変化嚥下困難体重減少などの症状が出ます。

犬の腫瘍発生率のベスト3は乳腺腫瘍、肥満細胞腫、リンパ腫と言われています。

※上記以外にもさまざまな悪性腫瘍があります。
気になることがあったらすぐに獣医師に相談してください。

医者の恰好をした犬

「がん」の検査方法

腫瘍の見た目と症状だけでは確定診断はできません。
針吸引検査などで細胞をとり細胞診を行います。
十分な診断をするために『生検』といって腫瘍組織の一部を採取し、病理組織検査を行うこともあります

また他にも異常はないか、麻酔や手術は可能か、転移はないかなどを調べたり、血液検査、心電図検査、レントゲン検査、エコー検査、CT検査、MRI検査など行います。
他にも病状によって必要な追加検査は異なります。

もし「がん」とわかったら

病名や現在の愛犬の状態、治療法など、担当獣医師から詳しく話を聞きましょう。
そして飼い主さんは家族とよく話し合い、「積極的に治療を行うのか」、それとも「積極的な治療は行わず症状にあわせた緩和治療を行うのか」、治療方針を決めましょう。

その後に具体的な治療方法を獣医師と相談して決めていきます。

診察を受ける犬

「がん」の治療法

「がん」を治療する3つの大きな方法は
①外科療法
②化学療法
③放射線療法
です。

これらの治療法は「がん」の種類、発生場所、進行具合によって単独または組み合わせて用いられます。
また近年では特定の「がん」に対する新しい治療法もでてきています。

ただ、一般的な動物病院ではCTやMRI検査、放射線療法、最先端の高度医療は難しいため、最先端の設備と技術をもつ大学病院や専門施設(2次診療施設)を紹介されることもあります。

「がん」を予防するには

「がん」を予防するためには、まず病気の早期発見に努めることです。
できれば6歳以上になったら定期的に健康診断を受けることをお勧めします。

「犬のがん」は毎日愛犬と触れあう事で発見しやすいものもあれば、一見無症状でわかりづらいものもあります。
飼い主さんは毎日愛犬とスキンシップをとり、日々観察してください。

上記以外にもさまざまな種類の病気がありますから、「おかしいな」と思ったら、動物病院を受診し、「早期発見」「早期治療」を目指しましょう。

著作者プロフィール

2019年08月19日

犬の病気

獣医師 高稻誓子

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