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動物介在教育って何?国内での普及や実施効果について
  • 動物介在教育って何?国内での普及や実施効果について

    2019年12月02日

    関美貴子/アニマルセラピー こころサポート協会

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    現在、アニマルセラピーの癒し効果がさまざまな分野で積極的に取り入れられ、注目を集めています。
    この記事では、教育の現場にアニマルセラピーを用いる『動物介在教育』についてとその実情、セラピードッグが子供に与える効果について紹介します。

    犬に本を読み聞かせる子供

    動物介在教育とは (Animal Assisted Education / AAE )

    動物介在教育とは、学校で行われる「動物を介在させた教育活動」のことです。
    事前に教師と動物介在セラピスト*で打合せをしたのち、子供の心のケアや教育に役立つ活動を実施します。

    以下のようなシチュエーションでセラピードッグが活躍しています。

    • 実際に動物に触れてもらう「ふれあい活動」
    • 道徳や総合学習の時間に
    • 理科や生活科の授業の一環として
    • ボランティア活動や課外活動で

    *アニマルセラピー こころサポート協会では、セラピードッグと共にアニマルセラピーを実施する知識と資格を持った者を「動物介在セラピスト」と呼んでいます。
    全国で統一した資格ではないため、団体により呼び方が異なります。

    日本人はペット離れが進んでいる?

    昔と比べて共働きの世帯が増えたせいか、ペットを飼わない家庭も増えました
    また以前は学校で動物を飼育していましたが、学習にかける時間が多くなったり教師の負担が増えたりという理由からなかなか昔のようにはいかないようです。

    動物とふれ合う機会が減った今、セラピードッグたちが介在する環境を作ることで、アニマルセラピーの効果が表れると期待されます。
    実際、学校にセラピードッグと一緒に入っていくと、子供たちはとても喜びます。中には初対面の動物介在セラピストに親しく話しかけてくる子もいます。

    また、動物介在セラピストが話をしている最中も犬たちがおとなしく傍で伏せている様子に感心し、じっと話を聞いてくれます。
    ふれあいの時間には、犬たちの体温のあたたかさやふわふわの毛の感触に触れ、教室全体が優しく穏やかな雰囲気に包まれます。

    学校での動物介在教育

    動物介在教育の現状

    海外での動物介在教育事情

    海外では、学校のスタッフとして教師と同等にセラピードッグの名前が並んでいるところもあります。
    小学生の授業にセラピードッグが出席して集中力を上げるのに一役買っています。
    カウンセリングルームや図書室の読書コーナーに常駐し、気持ちをリラックスさせたり、読書への苦手意識を取り除く手伝いをしているセラピードッグたちもいます。

    またアメリカのある大学では、試験期間に学生のストレス緩和のために犬とのふれあいの時間を設けているそうです。

    日本での動物介在教育事情

    日本の教育現場ではセラピードッグへの理解が不十分なことや衛生面での問題から、まだ犬が校舎に入るのは難しい状況にあります。
    ですが少しずつ状況は変わっていて、動物介在教育が子供たちの社会的つながりを作るきっかけになろうとしています

    海外でのアニマルセラピーの科学的検証例を参考に、日本の教育現場で動物介在教育が一般的になる日もそう遠くないかもしれません。

    動物介在教育中に動物が苦手な子供がいた場合、どうすればいいか?

    動物が苦手な子供やアレルギーを持つ子供がいる場合は、可能であれば離れた場所で見学をしてもらいます

    直接触れ合わなくても、セラピードッグの穏やかな動きや優しい表情を見ているだけで癒し効果があるからです。
    それに犬と触れ合っている同級生たちの普段とは違う表情などを見ることで、不思議と見学している子供の表情も柔らかくなります

    また、犬たちがありのままの姿で行動することで、子供の心を動かし行動させる引き金になります。
    犬は苦手だからと見学をしていた子供が自分から「セラピードッグに触れたい」と申し出たこともあるのです。

    このように、犬たちには新しいチャレンジを促す力があります。

    また、子供には苦手意識を克服する柔軟性と実行力が備わっています。
    自発的に「やってみよう」と思いさえすれば可能なことがたくさんあるということを、アニマルセラピーの活動は教えてくれます。

    ペットが子供に与える効果について

    近年、ペットが子供の健康・発達・幸福感に影響を与えるということで、科学的評価が高くなってきています。
    ペットと触れあうことで、子供たちにはこのような良い影響が出ると言われています。

    ストレス緩和

    動物と触れ合うことによってストレスが緩和されるといわれています
    不安や苦しみを和らげる可能性が動物にはあるのだそうです。

    コミュニケーション能力の向上

    犬は人に共感する能力が高いです。また子供は犬との間に絆を形成し、豊かな感情表現や共感、責任感などを学ぶことができます
    こうして得た能力を使って友達の気持ちを理解し、相手の立場になって考える力がつき、子供同士のコミュニケーションの発達にも関連していくと考えられています。

    さいごに

    セラピードッグが子供に与える良い効果をより多くの学校関係者の方・保護者の方が知ることで、子供が自己肯定感を高めて積極的になれる環境を作れるかもしれません。
    動物介在教育を用いた生活を、ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。

現在、アニマルセラピーの癒し効果がさまざまな分野で積極的に取り入れられ、注目を集めています。
この記事では、教育の現場にアニマルセラピーを用いる『動物介在教育』についてとその実情、セラピードッグが子供に与える効果について紹介します。

犬に本を読み聞かせる子供

動物介在教育とは (Animal Assisted Education / AAE )

動物介在教育とは、学校で行われる「動物を介在させた教育活動」のことです。
事前に教師と動物介在セラピスト*で打合せをしたのち、子供の心のケアや教育に役立つ活動を実施します。

以下のようなシチュエーションでセラピードッグが活躍しています。

  • 実際に動物に触れてもらう「ふれあい活動」
  • 道徳や総合学習の時間に
  • 理科や生活科の授業の一環として
  • ボランティア活動や課外活動で

*アニマルセラピー こころサポート協会では、セラピードッグと共にアニマルセラピーを実施する知識と資格を持った者を「動物介在セラピスト」と呼んでいます。
全国で統一した資格ではないため、団体により呼び方が異なります。

日本人はペット離れが進んでいる?

昔と比べて共働きの世帯が増えたせいか、ペットを飼わない家庭も増えました
また以前は学校で動物を飼育していましたが、学習にかける時間が多くなったり教師の負担が増えたりという理由からなかなか昔のようにはいかないようです。

動物とふれ合う機会が減った今、セラピードッグたちが介在する環境を作ることで、アニマルセラピーの効果が表れると期待されます。
実際、学校にセラピードッグと一緒に入っていくと、子供たちはとても喜びます。中には初対面の動物介在セラピストに親しく話しかけてくる子もいます。

また、動物介在セラピストが話をしている最中も犬たちがおとなしく傍で伏せている様子に感心し、じっと話を聞いてくれます。
ふれあいの時間には、犬たちの体温のあたたかさやふわふわの毛の感触に触れ、教室全体が優しく穏やかな雰囲気に包まれます。

学校での動物介在教育

動物介在教育の現状

海外での動物介在教育事情

海外では、学校のスタッフとして教師と同等にセラピードッグの名前が並んでいるところもあります。
小学生の授業にセラピードッグが出席して集中力を上げるのに一役買っています。
カウンセリングルームや図書室の読書コーナーに常駐し、気持ちをリラックスさせたり、読書への苦手意識を取り除く手伝いをしているセラピードッグたちもいます。

またアメリカのある大学では、試験期間に学生のストレス緩和のために犬とのふれあいの時間を設けているそうです。

日本での動物介在教育事情

日本の教育現場ではセラピードッグへの理解が不十分なことや衛生面での問題から、まだ犬が校舎に入るのは難しい状況にあります。
ですが少しずつ状況は変わっていて、動物介在教育が子供たちの社会的つながりを作るきっかけになろうとしています

海外でのアニマルセラピーの科学的検証例を参考に、日本の教育現場で動物介在教育が一般的になる日もそう遠くないかもしれません。

動物介在教育中に動物が苦手な子供がいた場合、どうすればいいか?

動物が苦手な子供やアレルギーを持つ子供がいる場合は、可能であれば離れた場所で見学をしてもらいます

直接触れ合わなくても、セラピードッグの穏やかな動きや優しい表情を見ているだけで癒し効果があるからです。
それに犬と触れ合っている同級生たちの普段とは違う表情などを見ることで、不思議と見学している子供の表情も柔らかくなります

また、犬たちがありのままの姿で行動することで、子供の心を動かし行動させる引き金になります。
犬は苦手だからと見学をしていた子供が自分から「セラピードッグに触れたい」と申し出たこともあるのです。

このように、犬たちには新しいチャレンジを促す力があります。

また、子供には苦手意識を克服する柔軟性と実行力が備わっています。
自発的に「やってみよう」と思いさえすれば可能なことがたくさんあるということを、アニマルセラピーの活動は教えてくれます。

ペットが子供に与える効果について

近年、ペットが子供の健康・発達・幸福感に影響を与えるということで、科学的評価が高くなってきています。
ペットと触れあうことで、子供たちにはこのような良い影響が出ると言われています。

ストレス緩和

動物と触れ合うことによってストレスが緩和されるといわれています
不安や苦しみを和らげる可能性が動物にはあるのだそうです。

コミュニケーション能力の向上

犬は人に共感する能力が高いです。また子供は犬との間に絆を形成し、豊かな感情表現や共感、責任感などを学ぶことができます
こうして得た能力を使って友達の気持ちを理解し、相手の立場になって考える力がつき、子供同士のコミュニケーションの発達にも関連していくと考えられています。

さいごに

セラピードッグが子供に与える良い効果をより多くの学校関係者の方・保護者の方が知ることで、子供が自己肯定感を高めて積極的になれる環境を作れるかもしれません。
動物介在教育を用いた生活を、ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。

著作者プロフィール

関美貴子/アニマルセラピー こころサポート協会

私立学校の中高英語教師として通算25年勤める傍ら、子どもや保護者の心のケアの重要性を感じ、臨床心理カウンセラーや動物介在セラピストの勉強を始める。 2017年3月に退職し、元盲導犬のラブラドールレトリーバーと共にアニマルセラピー こころサポート協会にて本格的に活動を始める。 セラピードッグの相棒と「アニマルセラピーを子どもや社会に」をテーマに、教育現場を中心に活動を行っている。 一般社団法人アニマルセラピーこころサポート協会 https://kokoro-therapy.club

2019年12月02日

関美貴子/アニマルセラピー こころサポート協会

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