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動物介在教育って何?国内の3つの事例について
- 自分らしさを大切にして自己肯定感を高めていくこと、
- 自分の個性を認めるとともに、他者の個性も認めること、
- 生き方は一つしかないわけではなく、自由で柔軟性があるということ
動物介在教育って何?国内での普及や実施効果について」では動物介在教育の実情や、セラピードッグが子供に与える効果について紹介しました。
この記事では動物介在教育について3つの実例を紹介します。
ケース1:学校でのアニマルセラピー
実施内容
ここ数年、公立・私立問わず、道徳教育としてアニマルセラピーを実施する小学校や中学校が増えています。
セラピードッグたちが見せる個々の魅力は、それぞれに得意なこと・苦手なことがあってこそ表れるもので、数頭で活動することでそれぞれの魅力が引き立っています。
すべて完璧であることが必ずしも良いわけではありません。また完璧のみを求めてしまうと、個性や自己肯定感は失われていきます。
私たちは学校でのセラピーを通じてそれを伝えていきたいと思っています。
動物介在セラピストが学校で子供たち伝えていることは、大きく3つです。
効果
アニマルセラピーによって子供たちの自己肯定感は高まっていくことでしょう。そしてそれと同時に、友達の個性も大切にできるようになります。
また、自分の長所を集団の中で積極的に生かし、苦手な部分は得意な仲間にカバーしてもらいながら共生することで、一人では実現不可能と思っていたことも実現できるかもしれません。
このように子供たちはセラピードッグとのふれあいを通じて柔軟な考え方やコミュニケーション力を養い、目標を達成していく喜びと充実感を得られるのではないかと期待しています。
他者と同じようにできなければならないというプレッシャーや、自信喪失などによる大人のひきこもりが現代社会において大きな問題として取り上げられています。
こういった状況の中、子供たちの「自分の心の声を信じて進む勇気」を養うことが動物介在セラピストの役割と考えています。
ケース2:英語塾でのアニマルセラピー
実施内容
小学校でも英語の授業が始まっていますが、中学に入学すると本格的に英語が教科として評価対象となります。
楽しく英語の歌を歌ったり絵本を読んでいた時代から一変し、読み書きに加え体系的に文法も習得していくことになります。
しかし学校ではテストの点数で評価が出てしまうため、英語に苦手意識をもってしまう子供も少なくありません。
そこで、英語塾でのアニマルセラピーでは「英語はコミュニケーション手段として使うことが目的で、ただの暗記科目ではない」ということを伝えています。
セラピードッグの中には英語でのさまざまな指示を理解している犬もいます。
子供たちは自分が覚えた単語がセラピードッグに伝わり、きちんと反応をしてくれることで、英語を「コミュニケーションツールとしての言語」と自然と理解するようになります。
言葉は自分の意思を相手に伝えるために必要な道具です。
なので「発音が上手にできない」とか「どう言ったらよいか分からない」と諦めないように、まずは躊躇せずに発話する勇気を持ってもらうようにしています。
効果
セラピードッグが相手だと楽しく英語で話しかけられる子供が多いです。
犬は人間のように間違いを訂正したりしません。ただ子供達に寄り添い、受け入れてくれる存在なので、初めて英語を学ぶ子供たちにとっては気軽に話しかけられる相手です。
少し上の学年になると、セラピードッグに「今日あった出来事」や「今の気持ちなど」を英語で話しかけてもらうこともあります。
慣れてくると、あたかもセラピードッグが相槌を打ったり質問しているかのように、セラピストが会話の相手になったりもします。
英語で暗唱する課題がある時には、セラピードッグが聞き役になることもあります。
また英語塾に来たときにすぐに勉強を始めず、先にセラピードッグと触れ合うことで子供たちは疲れを癒したり、気持ちをリセットできます。
それだけでなく、友達関係や勉強の悩みを打ち明けられる場所にもなっています。
人にはなかなか相談できないことも、犬たちを介在させることで話しやすくする効果があります。
動物介在セラピストは悩みを自然な形で聞くことができ、解決に向けてサポートをしやすくなることもこの活動の特徴です。
ケース3:読書スペースでのアニマルセラピー
実施内容
読書スペース特有のアニマルセラピーとしては「R.E.A.D.プログラム」と呼ばれるものがあります。
R.E.A.D.プログラムとは、読書能力を向上させることを目的としたプログラムで、子供たちがセラピードッグに本の読み聞かせをするものです。
このプログラムは1999年にアメリカのNPO法人インターマウンテン セラピー アニマルズがReading Education Assistance Dogs(読書介助犬)プログラムとしてスタートしたもので、頭文字をとってR.E.A.D.プログラムと呼ばれています。
図書館や学校で週1回程度のペースで開催されており、子供たちが楽しみにしてくれるよう様々な工夫をこらしています。
20年前にソルトレイクシティー(ユタ州)で始まったこのプログラムは、現在ではアメリカ以外にもカナダ、フランス、イギリス、スペインなど世界各国で実施されています。日本の図書館でも導入しているところがありますが、まだ認知度は高くないのが現状です。
効果
犬は注意や評価をしないので、子供たちの読書に対する不安や、声に出して読むことへの自信のなさを軽減します。
また普段は大人に面倒を見てもらっている子供たちが、犬のために本を読んであげることで自信や責任につながっていくと考えられます。
アニマルセラピーこころサポート協会では、毎月数回セラピードッグふれあいカフェを開催しています。
自宅カフェのような雰囲気の中で、朗読に苦手意識があったり、人前だと緊張して話せなくなるなど子供たちが抱える悩みに寄り添うプログラムとして、R.E.A.D.プログラムを参考にセラピードッグに本を読み聞かせするイベントを行っています。
このイベントでは、それぞれのニーズに合わせてゴールを決め、少しずつできることを増やして自信につなげていくことを目標としています。
まずは犬たちに会いに行こうといった気軽な気持ちで参加し、プログラムを継続していくことが大事です。
さいごに
動物介在教育の3つの実例について紹介しました。
学校関係者や保護者の方が動物介在教育を理解した上で、正しく組み込むことが出来れば、子供たちが自分らしく生きるための手助けになるかもしれません。
子供が通う学校や塾で、動物が寄り添うことによってどれほどの効果が得られそうか一度考えてみるのはいかがでしょうか。
動物介在教育って何?国内での普及や実施効果について」では動物介在教育の実情や、セラピードッグが子供に与える効果について紹介しました。
この記事では動物介在教育について3つの実例を紹介します。
ケース1:学校でのアニマルセラピー
実施内容
ここ数年、公立・私立問わず、道徳教育としてアニマルセラピーを実施する小学校や中学校が増えています。
セラピードッグたちが見せる個々の魅力は、それぞれに得意なこと・苦手なことがあってこそ表れるもので、数頭で活動することでそれぞれの魅力が引き立っています。
すべて完璧であることが必ずしも良いわけではありません。また完璧のみを求めてしまうと、個性や自己肯定感は失われていきます。
私たちは学校でのセラピーを通じてそれを伝えていきたいと思っています。
動物介在セラピストが学校で子供たち伝えていることは、大きく3つです。
- 自分らしさを大切にして自己肯定感を高めていくこと、
- 自分の個性を認めるとともに、他者の個性も認めること、
- 生き方は一つしかないわけではなく、自由で柔軟性があるということ
効果
アニマルセラピーによって子供たちの自己肯定感は高まっていくことでしょう。そしてそれと同時に、友達の個性も大切にできるようになります。
また、自分の長所を集団の中で積極的に生かし、苦手な部分は得意な仲間にカバーしてもらいながら共生することで、一人では実現不可能と思っていたことも実現できるかもしれません。
このように子供たちはセラピードッグとのふれあいを通じて柔軟な考え方やコミュニケーション力を養い、目標を達成していく喜びと充実感を得られるのではないかと期待しています。
他者と同じようにできなければならないというプレッシャーや、自信喪失などによる大人のひきこもりが現代社会において大きな問題として取り上げられています。
こういった状況の中、子供たちの「自分の心の声を信じて進む勇気」を養うことが動物介在セラピストの役割と考えています。
ケース2:英語塾でのアニマルセラピー
実施内容
小学校でも英語の授業が始まっていますが、中学に入学すると本格的に英語が教科として評価対象となります。
楽しく英語の歌を歌ったり絵本を読んでいた時代から一変し、読み書きに加え体系的に文法も習得していくことになります。
しかし学校ではテストの点数で評価が出てしまうため、英語に苦手意識をもってしまう子供も少なくありません。
そこで、英語塾でのアニマルセラピーでは「英語はコミュニケーション手段として使うことが目的で、ただの暗記科目ではない」ということを伝えています。
セラピードッグの中には英語でのさまざまな指示を理解している犬もいます。
子供たちは自分が覚えた単語がセラピードッグに伝わり、きちんと反応をしてくれることで、英語を「コミュニケーションツールとしての言語」と自然と理解するようになります。
言葉は自分の意思を相手に伝えるために必要な道具です。
なので「発音が上手にできない」とか「どう言ったらよいか分からない」と諦めないように、まずは躊躇せずに発話する勇気を持ってもらうようにしています。
効果
セラピードッグが相手だと楽しく英語で話しかけられる子供が多いです。
犬は人間のように間違いを訂正したりしません。ただ子供達に寄り添い、受け入れてくれる存在なので、初めて英語を学ぶ子供たちにとっては気軽に話しかけられる相手です。
少し上の学年になると、セラピードッグに「今日あった出来事」や「今の気持ちなど」を英語で話しかけてもらうこともあります。
慣れてくると、あたかもセラピードッグが相槌を打ったり質問しているかのように、セラピストが会話の相手になったりもします。
英語で暗唱する課題がある時には、セラピードッグが聞き役になることもあります。
また英語塾に来たときにすぐに勉強を始めず、先にセラピードッグと触れ合うことで子供たちは疲れを癒したり、気持ちをリセットできます。
それだけでなく、友達関係や勉強の悩みを打ち明けられる場所にもなっています。
人にはなかなか相談できないことも、犬たちを介在させることで話しやすくする効果があります。
動物介在セラピストは悩みを自然な形で聞くことができ、解決に向けてサポートをしやすくなることもこの活動の特徴です。
ケース3:読書スペースでのアニマルセラピー
実施内容
読書スペース特有のアニマルセラピーとしては「R.E.A.D.プログラム」と呼ばれるものがあります。
R.E.A.D.プログラムとは、読書能力を向上させることを目的としたプログラムで、子供たちがセラピードッグに本の読み聞かせをするものです。
このプログラムは1999年にアメリカのNPO法人インターマウンテン セラピー アニマルズがReading Education Assistance Dogs(読書介助犬)プログラムとしてスタートしたもので、頭文字をとってR.E.A.D.プログラムと呼ばれています。
図書館や学校で週1回程度のペースで開催されており、子供たちが楽しみにしてくれるよう様々な工夫をこらしています。
20年前にソルトレイクシティー(ユタ州)で始まったこのプログラムは、現在ではアメリカ以外にもカナダ、フランス、イギリス、スペインなど世界各国で実施されています。日本の図書館でも導入しているところがありますが、まだ認知度は高くないのが現状です。
効果
犬は注意や評価をしないので、子供たちの読書に対する不安や、声に出して読むことへの自信のなさを軽減します。
また普段は大人に面倒を見てもらっている子供たちが、犬のために本を読んであげることで自信や責任につながっていくと考えられます。
アニマルセラピーこころサポート協会では、毎月数回セラピードッグふれあいカフェを開催しています。
自宅カフェのような雰囲気の中で、朗読に苦手意識があったり、人前だと緊張して話せなくなるなど子供たちが抱える悩みに寄り添うプログラムとして、R.E.A.D.プログラムを参考にセラピードッグに本を読み聞かせするイベントを行っています。
このイベントでは、それぞれのニーズに合わせてゴールを決め、少しずつできることを増やして自信につなげていくことを目標としています。
まずは犬たちに会いに行こうといった気軽な気持ちで参加し、プログラムを継続していくことが大事です。
さいごに
動物介在教育の3つの実例について紹介しました。
学校関係者や保護者の方が動物介在教育を理解した上で、正しく組み込むことが出来れば、子供たちが自分らしく生きるための手助けになるかもしれません。
子供が通う学校や塾で、動物が寄り添うことによってどれほどの効果が得られそうか一度考えてみるのはいかがでしょうか。