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しこりがあったら要注意!肥満細胞腫について
愛犬をなでていたら、しこりのようなものに触れたことはありませんか?
体の表面にできるしこりの原因は様々で、問題ないものもあります。
しかし、中には肥満細胞腫のような皮膚腫瘍(癌)の場合もあります。
この記事では肥満細胞腫の見分け方と治療方法についてご紹介します。
肥満細胞腫ってなに?
肥満細胞腫は犬によく見られる皮膚腫瘍で、めずらしい病気ではありません。
血管を正常に維持する肥満細胞という細胞が異常増殖して起こる病気で、8歳前後の中~高齢の犬で多く見られます。
ちなみに「肥満細胞」という名前を冠しますが、愛犬の体型には関係がなく、太っていても痩せていても肥満細胞腫はできることがあります。
どんな腫瘍ができるの?
ほとんどが皮膚表面か皮下(皮膚と筋肉の間)にできます。
見た目はさまざまですがドーム型で赤みを帯び、毛が抜けてしまっていることが多いです。
かゆみや痛みを伴うことはほとんどありませんが、強い刺激が加わると、腫瘍部(しこり)にじんましんが発生する特徴があります。
かかりつけの動物病院で肥満細胞腫と診断を受けた場合、腫瘍部の扱いには注意が必要です。
どこに腫瘍ができるの?
しこりの大半は胴体にできますが、全身どこにでもできる可能性があります。同時に二つ以上できることもあります。体の先端や粘膜に近い場所にできたしこりの方が、悪性度が高い傾向があります。
肥満細胞腫の症状
初期症状
しこり以外の目立った症状はありません。
進行すると……
肥満細胞腫には、炎症を引き起こす物質が含まれていて、進行するとこの物質が体に対して過剰となり、元気食欲低下や嘔吐・黒色便などの胃腸障害が引き起こされ、全身に影響が出ることがあります。
肥満細胞腫と分かる~治療まで
診断方法
腫瘍が見つかった時、多くの場合、最初に、腫瘍に注射針を刺して細胞を採取して検査する、針生検(FNA)が勧められます。
肥満細胞腫を調べるための針生検は、通常であれば全身の麻酔や鎮静などの処置は必要とせず、愛犬にとっては負担や痛みの少ない検査となります。
検査に必要な時間も30分程度と短いです。
ですが、外部の病理検査機関に診断を依頼することが多いため、結果が分かるには1週間~10日程度時間がかかります。
転移がない場合
転移がない場合、肥満細胞腫の基本治療は、外科手術による切除です。
針生検で肥満細胞腫の可能性が高いと診断された場合、外科手術で切除するかどうかを決めます。
完璧に切除できれば、その後に大きな治療は必要ありません。
〈転移している場合もしくは切除が難しい場合〉
手足の先や顔などに腫瘍ができ、手術で完全に切除することが難しかったり、転移により全身に影響が出ている場合は、化学療法や放射線治療が行われます。
化学療法に関しては、ステロイドのみの投与で腫瘍に対して上手く治療できる場合もあれば、抗ガン剤治療が必要な場合もあります。
治療中は胃腸障害などの症状が現れることもあるので、症状に対する内服や注射などの治療も行われます。
この他、新しい治療としては分子標的薬を使った治療もあります。
これは、腫瘍の状態によって効果が異なるため、治療を行う場合には別途、細胞の検査が必要になることが多いです。
肥満細胞腫の注意点
腫瘍が見つかってから急に大きくなる場合は、悪性度が高い可能性があります。
なるべく早くかかりつけの動物病院に相談しましょう。
また、肥満細胞腫でやっかいな点は、一つの腫瘍を完全に切除しても別部位で再発することがある、ということです。
その場合は、再手術が必要になります。
一度腫瘍が見つかった場合は、切除後も定期的にかかりつけの動物病院で全身をチェックしてもらいましょう。
まとめ
肥満細胞腫は、早期に発見して治療がうまくいけば、安定した生活を送ることが多い腫瘍です。
しこりを見つけたら、早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。
愛犬をなでていたら、しこりのようなものに触れたことはありませんか?
体の表面にできるしこりの原因は様々で、問題ないものもあります。
しかし、中には肥満細胞腫のような皮膚腫瘍(癌)の場合もあります。
この記事では肥満細胞腫の見分け方と治療方法についてご紹介します。
肥満細胞腫ってなに?
肥満細胞腫は犬によく見られる皮膚腫瘍で、めずらしい病気ではありません。
血管を正常に維持する肥満細胞という細胞が異常増殖して起こる病気で、8歳前後の中~高齢の犬で多く見られます。
ちなみに「肥満細胞」という名前を冠しますが、愛犬の体型には関係がなく、太っていても痩せていても肥満細胞腫はできることがあります。
どんな腫瘍ができるの?
ほとんどが皮膚表面か皮下(皮膚と筋肉の間)にできます。
見た目はさまざまですがドーム型で赤みを帯び、毛が抜けてしまっていることが多いです。
かゆみや痛みを伴うことはほとんどありませんが、強い刺激が加わると、腫瘍部(しこり)にじんましんが発生する特徴があります。
かかりつけの動物病院で肥満細胞腫と診断を受けた場合、腫瘍部の扱いには注意が必要です。
どこに腫瘍ができるの?
しこりの大半は胴体にできますが、全身どこにでもできる可能性があります。同時に二つ以上できることもあります。体の先端や粘膜に近い場所にできたしこりの方が、悪性度が高い傾向があります。
肥満細胞腫の症状
初期症状
しこり以外の目立った症状はありません。
進行すると……
肥満細胞腫には、炎症を引き起こす物質が含まれていて、進行するとこの物質が体に対して過剰となり、元気食欲低下や嘔吐・黒色便などの胃腸障害が引き起こされ、全身に影響が出ることがあります。
肥満細胞腫と分かる~治療まで
診断方法
腫瘍が見つかった時、多くの場合、最初に、腫瘍に注射針を刺して細胞を採取して検査する、針生検(FNA)が勧められます。
肥満細胞腫を調べるための針生検は、通常であれば全身の麻酔や鎮静などの処置は必要とせず、愛犬にとっては負担や痛みの少ない検査となります。
検査に必要な時間も30分程度と短いです。
ですが、外部の病理検査機関に診断を依頼することが多いため、結果が分かるには1週間~10日程度時間がかかります。
転移がない場合
転移がない場合、肥満細胞腫の基本治療は、外科手術による切除です。
針生検で肥満細胞腫の可能性が高いと診断された場合、外科手術で切除するかどうかを決めます。
完璧に切除できれば、その後に大きな治療は必要ありません。
〈転移している場合もしくは切除が難しい場合〉
手足の先や顔などに腫瘍ができ、手術で完全に切除することが難しかったり、転移により全身に影響が出ている場合は、化学療法や放射線治療が行われます。
化学療法に関しては、ステロイドのみの投与で腫瘍に対して上手く治療できる場合もあれば、抗ガン剤治療が必要な場合もあります。
治療中は胃腸障害などの症状が現れることもあるので、症状に対する内服や注射などの治療も行われます。
この他、新しい治療としては分子標的薬を使った治療もあります。
これは、腫瘍の状態によって効果が異なるため、治療を行う場合には別途、細胞の検査が必要になることが多いです。
肥満細胞腫の注意点
腫瘍が見つかってから急に大きくなる場合は、悪性度が高い可能性があります。
なるべく早くかかりつけの動物病院に相談しましょう。
また、肥満細胞腫でやっかいな点は、一つの腫瘍を完全に切除しても別部位で再発することがある、ということです。
その場合は、再手術が必要になります。
一度腫瘍が見つかった場合は、切除後も定期的にかかりつけの動物病院で全身をチェックしてもらいましょう。
まとめ
肥満細胞腫は、早期に発見して治療がうまくいけば、安定した生活を送ることが多い腫瘍です。
しこりを見つけたら、早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。