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犬の神経痛の原因とは?見分けるためのサインや治療法も紹介
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    抱き上げようとしたら突然「きゃんっ!」と鳴いたり、触られることを急に嫌がったりしていませんか?愛犬が急につれない態度を取る原因、もしかしたら痛みかもしれません。

    神経痛とは

    神経痛とは?

    体の感覚を伝える神経が、何らかの原因で刺激されると痛みが引き起こされます。
    この痛みを神経痛と呼びます。

    ヒトの場合、神経痛になる原因は神経疾患からウイルスまでさまざまです。
    犬の場合は、神経が圧迫されたり、炎症から痛みを引き起こすことがほとんどです。

    原因はどんな病気?

    背骨は、曲げたり伸ばしたりという可動性を得るために、短い骨(椎体)が連なって体を支えています。

    椎体と椎体の間には、椎間板というクッションが存在しています。
    この椎間板に何らかの原因で偏った圧がかかり、中身が飛びだした状態が、椎間板ヘルニアです。

    出っ張った部分が近くの神経を圧迫して炎症し、痛みが引き起こされます。
    圧迫が、脊髄と筋肉をつなげる末梢神経部分(神経根)にある場合は痛みのみが起こりますが、脊髄自体を圧迫しているときは、神経麻痺を伴うこともあります。

    病変は胸と腰の境目辺り(胸腰部)が最も多く、頭から胸の間(頚部)でも起こります。

    椎間板ヘルニアは、加齢が原因の場合もありますが、遺伝的な素因もあり、ダックスフンドやトイ・プードル、ウェルシュ・コーギーなど、小型犬に起きやすいと言われています。
    これらの犬種では、比較的若い年齢(3~6歳くらい)でも症状がでます。

    この他にも、椎間板脊椎炎は、皮膚炎や歯の疾患など体のどこかが感染して起こる椎間板の感染症です。
    感染を起こした椎体部位に強い痛みが出ます。脊椎炎は若・中齢の中~大型犬に起きやすいと言われています。

    愛犬が高齢では、腫瘍の可能性もあるので注意が必要です。

    どんな症状?

    胸腰部に痛みがある場合、抱き上げようとしたり、撫でようとしたら急に「きゃん!」と鳴いたりします。
    背中を丸め、まるでお腹が痛いかのようなそぶりを見せることもあります。

    うずくまる、動きが鈍い、いつもはできる階段の昇降や、ソファに飛び乗ったり降りたりができないなどの行動の変化が現れることが多いです。
    頚部に痛みがある場合は、首を上げるまたは下げるのを嫌がるため、食べたがる(食事を催促する)のに食事をためらう、頭と首を垂れたままじっとしている、などが挙げられます。

    圧迫の場所と程度によっては足の神経にも炎症が波及し、前足の片方が着けずに上げている場合もあります。

    主な症状は痛みをかばう行動の変化であり、食欲や排泄の状態の変化は、あまり見られないが多いです。

    ただし、排泄が上手くできなかったりなどの変化は、神経の圧迫が強い可能性もあるため、よく愛犬を観察してあげてください。

    動物病院での処置

    動物病院での処置や治療法

    愛犬が痛がっているのを理由に動物病院にかかると、レントゲンの検査が行われることが多いです。
    椎間板ヘルニアを始めとした脊髄病変は、よほど強い変化がない限り、レントゲンでは判断はつきにくいです。

    しかし、痛みの原因が背骨周辺にあるかどうか、あるいは腫瘍などの異常はないかなどの判断のためにレントゲン検査は必要です。

    検査の上、神経痛が疑われる場合は、消炎鎮痛剤や抗生剤の注射・内服の治療が行われます。
    このとき、使用される消炎鎮痛剤によっては、腎臓や肝臓に負担がかかるものもあるため、特に愛犬が中齢~高齢の場合は、血液検査で内臓の異常がないことを確認する場合もあります。

    こんなことに気をつけて!

    痛みが出ているときは、ともかく安静を心がけて下さい。
    大事を取るのであれば、ケージの中で大人しくしてもらいます。

    愛犬が、普段ケージに入ることに慣れていない場合は、無理に入れる必要はありません。
    ただし、排泄が家の中でできるなら、散歩は控えましょう。家の中でおもちゃなどを使って遊ぶことも避けるべきです。

    特に、動物病院にかかって消炎鎮痛剤を注射してもらうと、痛みが和らぐため、愛犬はどうしても通常の生活を送ろうとします。
    しかし、神経の圧迫やそれに伴う炎症は1回の注射では治まってはいません。
    この時点で無理に動けば、圧迫や炎症をさらに悪化させる可能性もあります。飼い主が十分に注意してあげましょう。

    また、神経痛を引き起こす病変は、神経の圧迫が強くなり症状が進むと、神経麻痺が起こります。
    痛みが強い、あるいは足の動きがおかしい、排泄がうまくできていない、と感じるときは、様子を見ずに、すぐに動物病院を受診してください。

    まとめ

    愛犬が痛がっている場合は、安静を心がけましょう。神経麻痺などの重篤な症状に繋がる場合もあるので、痛がっているときはあまり様子を見ずに、かかりつけの動物病院を受診してください。

抱き上げようとしたら突然「きゃんっ!」と鳴いたり、触られることを急に嫌がったりしていませんか?愛犬が急につれない態度を取る原因、もしかしたら痛みかもしれません。

神経痛とは

神経痛とは?

体の感覚を伝える神経が、何らかの原因で刺激されると痛みが引き起こされます。
この痛みを神経痛と呼びます。

ヒトの場合、神経痛になる原因は神経疾患からウイルスまでさまざまです。
犬の場合は、神経が圧迫されたり、炎症から痛みを引き起こすことがほとんどです。

原因はどんな病気?

背骨は、曲げたり伸ばしたりという可動性を得るために、短い骨(椎体)が連なって体を支えています。

椎体と椎体の間には、椎間板というクッションが存在しています。
この椎間板に何らかの原因で偏った圧がかかり、中身が飛びだした状態が、椎間板ヘルニアです。

出っ張った部分が近くの神経を圧迫して炎症し、痛みが引き起こされます。
圧迫が、脊髄と筋肉をつなげる末梢神経部分(神経根)にある場合は痛みのみが起こりますが、脊髄自体を圧迫しているときは、神経麻痺を伴うこともあります。

病変は胸と腰の境目辺り(胸腰部)が最も多く、頭から胸の間(頚部)でも起こります。

椎間板ヘルニアは、加齢が原因の場合もありますが、遺伝的な素因もあり、ダックスフンドやトイ・プードル、ウェルシュ・コーギーなど、小型犬に起きやすいと言われています。
これらの犬種では、比較的若い年齢(3~6歳くらい)でも症状がでます。

この他にも、椎間板脊椎炎は、皮膚炎や歯の疾患など体のどこかが感染して起こる椎間板の感染症です。
感染を起こした椎体部位に強い痛みが出ます。脊椎炎は若・中齢の中~大型犬に起きやすいと言われています。

愛犬が高齢では、腫瘍の可能性もあるので注意が必要です。

どんな症状?

胸腰部に痛みがある場合、抱き上げようとしたり、撫でようとしたら急に「きゃん!」と鳴いたりします。
背中を丸め、まるでお腹が痛いかのようなそぶりを見せることもあります。

うずくまる、動きが鈍い、いつもはできる階段の昇降や、ソファに飛び乗ったり降りたりができないなどの行動の変化が現れることが多いです。
頚部に痛みがある場合は、首を上げるまたは下げるのを嫌がるため、食べたがる(食事を催促する)のに食事をためらう、頭と首を垂れたままじっとしている、などが挙げられます。

圧迫の場所と程度によっては足の神経にも炎症が波及し、前足の片方が着けずに上げている場合もあります。

主な症状は痛みをかばう行動の変化であり、食欲や排泄の状態の変化は、あまり見られないが多いです。

ただし、排泄が上手くできなかったりなどの変化は、神経の圧迫が強い可能性もあるため、よく愛犬を観察してあげてください。

動物病院での処置

動物病院での処置や治療法

愛犬が痛がっているのを理由に動物病院にかかると、レントゲンの検査が行われることが多いです。
椎間板ヘルニアを始めとした脊髄病変は、よほど強い変化がない限り、レントゲンでは判断はつきにくいです。

しかし、痛みの原因が背骨周辺にあるかどうか、あるいは腫瘍などの異常はないかなどの判断のためにレントゲン検査は必要です。

検査の上、神経痛が疑われる場合は、消炎鎮痛剤や抗生剤の注射・内服の治療が行われます。
このとき、使用される消炎鎮痛剤によっては、腎臓や肝臓に負担がかかるものもあるため、特に愛犬が中齢~高齢の場合は、血液検査で内臓の異常がないことを確認する場合もあります。

こんなことに気をつけて!

痛みが出ているときは、ともかく安静を心がけて下さい。
大事を取るのであれば、ケージの中で大人しくしてもらいます。

愛犬が、普段ケージに入ることに慣れていない場合は、無理に入れる必要はありません。
ただし、排泄が家の中でできるなら、散歩は控えましょう。家の中でおもちゃなどを使って遊ぶことも避けるべきです。

特に、動物病院にかかって消炎鎮痛剤を注射してもらうと、痛みが和らぐため、愛犬はどうしても通常の生活を送ろうとします。
しかし、神経の圧迫やそれに伴う炎症は1回の注射では治まってはいません。
この時点で無理に動けば、圧迫や炎症をさらに悪化させる可能性もあります。飼い主が十分に注意してあげましょう。

また、神経痛を引き起こす病変は、神経の圧迫が強くなり症状が進むと、神経麻痺が起こります。
痛みが強い、あるいは足の動きがおかしい、排泄がうまくできていない、と感じるときは、様子を見ずに、すぐに動物病院を受診してください。

まとめ

愛犬が痛がっている場合は、安静を心がけましょう。神経麻痺などの重篤な症状に繋がる場合もあるので、痛がっているときはあまり様子を見ずに、かかりつけの動物病院を受診してください。

著作者プロフィール

獣医師 飯塚美幸

麻布大学獣医学部獣医学科卒業。 現在は埼玉県三郷市の動物病院にパート勤務しています。 動物病院での仕事の際には、飼い主様の気持ちに寄り添って治療を進めていけるよう心がけています。 同じ志で、記事もお伝えしたい思っております。 猫好きな男児2人の子育て中です。

2020年05月11日

犬の病気

獣医師 飯塚美幸

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